++ 手紙~親愛なる子供たちへ~ / 樋口了一++

手紙~親愛なる子供たちへ~ / 樋口了一


CD












 人は老いると赤子に戻るなんて聞いたことがありますが、家庭を持つようになりその意味がわかりました。というかこの曲により、知ることになりました。
 不幸か幸いか、私はそこそこ若い時にそこそこの年齢だった両親を亡くしたため、『親の面倒を看る』ことを知りません。妻の父親、また両親ではありませんが、心の中で親と慕っている方々が今後歳を重ねていく上でそれを経験することがあるかもしれません。私は年末に会社を辞め自宅に居ることが多く、仕事はしているものの以前のように子供の寝顔だけを見る生活を送っていません。故に子供たちの嫌な面も知ることになりました。こっちが何か言えば『ヤダ』『できない』のオンパレード。食事中は集中せず遊んでばかり、嫌いなものは食べない、『トイレ行こう』と言うと嫌がる、本人がやろうとしてもたついている所を勝手に手伝うと泣く、夜なかなか寝ない、何度怒っても部屋の中でジャンプする・・・etc。
 挙げたらキリが無いが、妻は毎日それのみと接していてそれから開放されることはない。私は逃げることができる。逃げている。だけどそういった嫌な面というのは将来そこそこ生きた時に自分もそうなるわけで。それを知ったから気がついたというわけではないが、『子供たちの嫌な面』と表現していることは人間として生きる過程で必ず起こりうる出来事を真っ向から否定していることになる。それに気づいた。

 人には長所短所がある。長所あっての短所・短所あっての長所であり、長所だけを兼ね備えた人などいない。うちの息子に関して言えば、今の年齢からすれば『状況を考えて遊べる』という長所があり、先に述べたことは決して短所ではない。でも私はそれを短所として考えてしまっていた気がする。
 彼が覚束ない足取りで懸命に人生という道を歩み始めている今、私のやるべきことはマラソンに例えれば『監督・コーチ』ではなく『ペースメーカー』でありたい。彼がもっと大きくなって1人で考えて進むことができれば『監督・コーチ』でもいいのかもしれない。大人になったら私は『沿道の応援』にしか過ぎなくなる。
 一生、子供たちの隣に付き添って進むつもりはないが、今やるべきことをもう一度見直したいと思う。

 そんな気にさせてくれたこの曲でありました。

 ありがとう音楽。

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by tama5136 | 2009-04-29 03:06 | お気に入りpartⅡ